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テーマ:情報モラル

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身近なところから

事前調査にあるように、このクラス(5年生)では、携帯電話を所持している子どもは4人。一方で、パソコンは半数以上の家庭で使われています。彼らにとって必要な情報モラルとは、より身近なパソコンに関することのはずです。
現在、多くの公立学校のインターネット回線には、フィルタリングサービスが設定されています。

*パソコンで調べ学習をする際に不適切なサイトにアクセスしてしまわないように
*休み時間にパソコン室を開放してもゲームばかりにならないように
*学校のパソコンから自分のブログやプロフを更新してトラブルのタネになったりしないように

など、子どもたちのネット利用に待ち受ける、さまざまな危険を回避する手段として採用されています。

身近なところから

フィルタリングの役割

もちろん、フィルタリングがなくとも自分でしっかり判断できる子どもを育てていくことが目指すべきところではありますが、その前の段階でインターネットの良さを実感しながら、「致命傷にならない程度に失敗もできる」くらいの環境を提供するのがフィルタリングの役割だと筆者は考えています。

 

どの教科で扱うか  

原案――国語における指導

さて、どの教科でフィルタリングを扱うか――メールの文面やルールといった携帯電話の使い方については道徳の時間で指導されることが一般的です。ところがフィルタリングについては、

*適切な情報かどうかを判断することの大切さ
*(それを自分で考えるだけでなく)テクノロジーが助けてくれている技術的な面

を教えるべきであり、「心」というより「知恵」として学習する必要があります。
第一案は国語でした。
5年生の教科書にある「言葉の研究レポート」という単元では、ことばの語源などの調べ学習をする場面があり、指導書にもインターネットを使う場合、留意点を指導するよう書かれています。
そこで、

1前の時間にフィルタリングも含めた調べ学習の仕方について学び
2次の時間から実際に調べていく

という単元計画が見えてきました。

原案――国語における指導

原案の問題点

ところが授業の中身を考え始めたところで壁につき当たります。
フィルタリングを実感するには、「見てみたいけれどもアクセスできないページ」に子どもたちが遭遇する場面をつくりたいところです。
それと同時にインターネットを使う良さとして、新しい情報が手に入ることや、多様な情報に出会えること、さらにはその情報の裏側には多様な作者がいることに気づくことで、どんな時にインターネットで調べるべきで、本で調べた方がよいのはどんな時かを学んでほしいと思います。

ところがこの単元は、「言葉について」。検索すると辞書のサイトや個人のブログなどばかりがひっかかり、インターネットで調べる良さになかなか結びつかないことが分かってきました。

代案――社会における指導

そこで、国語ではなく、社会科で教えることにしました。
5年生の社会科では農業や水産業など、食糧生産について夏休み前までに学んでいます。]

これらは体験が難しく、映像を見たり、あるいは統計資料や近くの地域での取り組みを調べるなど、インターネットで調べる場面をつくりやすい単元です。

 

教材の選定としかけ  

実体験させる

教科書に出ている語句からイメージが難しそうなものを探し、学校のパソコンで検索をしてみると、子ども向けのサイトはそのまま表示されますが、ブログに書かれたものや動画投稿サイトの映像は見ることができません。

そこで、子ども向けのネットワークでアクセスできないパソコンと、一般の回線でどのページでも見られるパソコンを用意し、実際にフィルタリングされている様子を実感してもらうことにしました。

また、調べた結果の違いが一目でわかるようにすることと同時に、フィルタリングが子どもたちを危険から守るという面について気づいてほしいと考え、

1一方のPCを子どもに、もう一方を保護者の方に実際にさわってもらう
2フィルタリング体験の後にビデオを視聴する

ことにしました。

実体験させる

汎用教材の不足

ビデオを探し始めて気づいたことは、情報モラル用のものは、携帯電話について扱ったものが多く、B校の子どもたちの実態とはかけ離れているということです。

そこで、教材としてはNHKが2006年に制作したDVD『ネット社会の道しるべ』に収録されていた「架空請求と個人情報」のドラマを使うことにしました。アダルトサイトに興味をもった小学生がサイトの誘導にのせられて個人情報を送ってしまうストーリーです。5年生の子どもたちがどんな反応を示すか楽しみになってきます。

 

授業のまとめ方  

授業のまとめは、

3インターネットを使うときのルールをグループで考え、発表する

こととしました。

フィルタリングにまかせておけば大丈夫、ではなく、より適切な使い方をするために、子どもなりに守るべきことを考えてほしい。その結果をまとめていくことで、道徳でもなく、国語でもなく、社会科から、調べ学習の仕方を見つめ直してほしいという提案です。

 

授業のまとめ方

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